こんにちは。しょぼいサラリーマンの豆作(マメサク)です。
僕は機械工学を専攻してきた機械屋サラリーマンです。
機械を専攻してきた訳ですから、当然のことながら電気については全くの素人でした。
そんな僕が電気関係の資格の中では難関に分類されている【電験三種】を独学で勉強して合格した経験をもとに、この記事では【電力】科目に注目した僕なりの勉強方法について書いていきたいと思います。
これから【電験三種】合格を目指す人の少しでもお役に立てられれば幸いです。
「電験三種」全体を通した勉強方法について書いた、以下の記事も読んでもらえると嬉しいです。
【電力】科目について
僕が【電力】の勉強を始めたのは、【理論】に科目合格した次の年からです。
もともと僕は電験三種を3年計画で合格することを目指していましたので、この年は【電力】と【法規】に科目合格することが目標でした。
ですから、【電力】科目にかけられる勉強時間は半年程度でした。
つまり、半年で合格ラインを越えなければなりませんでした。
【電力】科目が【理論】科目くらい難しい科目であったのであれば、電験三種を取得することができなかったと思います。
こんな書き方をすると、
じゃあ、【電力】は簡単だったのか?
と、思われてしまいそうです。
もちろん、簡単ではありませんでした。
冒頭にも書きました通り、僕は機械工学を専攻してきた機械屋です。
えらそうに、機械工学を専攻してきたとか言ってますけど、偏差値で言えば 50程度のただの普通の凡人です。
ただ、この【電力】科目は僕たち機械屋には比較的なじみやすい科目だったように思っています。
【理論】科目は目に見えない電気的な事象を考える科目ですので、僕たち機械屋のような目に見える事象を考える者にとっては特別難しい科目でしたが、【電力】はどちらかと言えば目に見える事象を扱う科目でしたので、比較的とっつき易く理解もしやすかったです。
これについては、機械屋に限らず一般的に目に見える事象を扱うという点から、誰にとっても【理論】より理解しやすいのではないかと思います。
そんな【電力】で勉強しなければならない項目は、
- 水力発電
- 水力発電所の種類
- ベルヌーイの定理
- 流量・落差と発電所の出力
- 土木設備
- 水車
- 調速機
- 揚水発電所
- 水車発電機と保護継電器
- 火力発電
- 火力発電所の概要
- 熱サイクル
- 燃料と燃焼
- 火力発電所の熱効率と熱消費率
- 発電用ボイラ
- 給水設備
- 蒸気タービン
- タービン発電機と付属設備
- 火力発電所の環境対策
- ディーゼル、ガスタービン、コンバインドサイクル、コージェネレーション
- 原子力発電
- 原子力発電所の概要
- 発電用原子炉
- 原子力発電所の特徴
- 再生可能エネルギー
- 太陽光発電
- 風力発電
- 燃料電池発電
- 小水力、地熱、バイオマス発電
- 変電
- 変電設備
- 変圧器
- 開閉設備
- 母線・保護装置
- 調相設備
- 交直変換設備と周波数変換設備
- 変電所の設計・運転
- 架空送電線路と架空配電線路
- 送配電系統
- 架空送電線路の構成
- 架空配電線路の構成
- 直流送電
- 架空送配電線路における各種障害とその対策
- 電線振動とその対策
- コロナ障害とその対策
- 塩害対策
- 誘導障害
- 中性点接地方式
- 異常電圧と雷害対策
- フェランチ効果、自己励磁現象、高調波障害
- 電気的特性
- 電気的特性に関する計算問題に必要な公式
- 電力
- 電圧降下
- 力率改善
- ループ式線路
- 単相3線式
- 電灯動力共用方式
- 変圧器の三相接続
- 各種電気方式の比較
- 短絡地絡故障計算
- 短絡故障計算
- 地絡故障計算
- 地中電線路
- 地中電線路の構成と特徴
- ケーブルの種類と特徴
- ケーブルの布設方法
- 故障点の探索
- 機械的特性
- 電線のたるみ
- 支線
- 管理および保護
- 電圧調整
- 電線路の保護
- キュービクル式受電設備
- 電気材料
- 絶縁材料
- 磁気材料
- 誘電材料
- 半導体材料
です。
13 Chapter もあります(多いですね)。
まあ、【電力】というだけあって発電関係が目立ちます。
電気素人の僕でも聞いたことのある用語がありましたので【理論】科目のように用語の意味すら全くわからないということはないのでしょうか?
それくらい【電力】は【理論】に比べて身近な科目だと思います。
もう少し言えば、【電力】は「流体力学」、「熱力学」、「物理」、「化学」などを使って電力を生み出していることを学ぶ科目です。
電気素人からすれば、【電力】科目は「物理」や「化学」などの馴染みのある学問を使うため【理論】科目より身近に感じられませんか?
いや・・・なんかそれはそれでアレルギーが・・・
ってなりましたか?
でも、安心してください。
決して簡単だとは言えませんが、高校物理や化学の初歩程度の理解力でなんとかなります。
僕で言えば、「熱力学」と「化学」はかなり苦手と言うかほぼ忘れていましたが、【電力】で問われるそれらの知識はそんなに深いレベルではなく、【電力】の勉強を進めるなかで理解できる浅いレベルの知識で対応できました。
【電力】で問うレベルをもっと深いものにしてしまうと、膨大な勉強範囲となってしまい、もはや違う科目になってしまうからでしょうか、過去問の出題傾向もある程度似たり寄ったりになっています。
浅い知識でなんとかなりましたと言いましたが、付け焼き刃の浅い知識では、そこは【電験三種】ですので通用しません。
浅いながらも、その知識を応用できるまでは理解しなければなりません。
問われているものが「何か」によって、知識を組み換えて対応しなければならないことがその理由です。
例えば、簡単なところでは「火力発電」に関係する問いで、使用する燃料の重量を問われているのか、燃焼に必要な酸素量を問われているのか、それとも発電量を問われているのか、によって知識を上手に組み換える必要があります。
なんだか当たり前のことを言っているような気がしますが、浅い知識であるがために意外と「理解できたつもり」状態になっていることがあり、いざ問題と向き合うと「あれ?」ってなります。僕なんかはしょっちゅう「あれ?」ってなっていました。
このように、浅いからといって手を抜くと痛い目に遭います。
浅い知識だからこそ、確実に使いこなせるまで繰り返し勉強することで合格が「グッ」と近づくと思います。
使った教材
・オーム社:完全マスター 電験三種受験テキスト 電力
・電気書院:電験3種過去問題集(10年間の全問題・解説と解答)
勉強方法
【電力】科目は「発電」、「変電」、「送電」、「受電」といった、電力の流れを学ぶ科目です。
そして、【電力】科目の出題傾向としては「発電」で 4割強のウエイトになっています。
これに「変電」を加えるとだいたい 5割程度となります。
過去問から見てもこのウエイトは、ほぼ確実と言って良いと思います。
ということは、おのずと【電力】科目の攻略方法が見えてきましたね。
このことより、「発電」と「変電」は確実にできるようにならなければなりません。
僕は、もちろん【電力】科目におけるこの出題傾向を知ったうえで、勉強を開始しました。
冒頭にも書きましたが、僕はこの年の科目合格目標が【電力】と【法規】の2科目に合格することでしたので、先に出題傾向を知ることで勉強に対する不安が少し解消されました。
とは言え、一年間で2科目の勉強でしたので十分に勉強できたかと言えば、不十分なところもあって「捨てた」単元もありました。
ですから、僕の【電力】試験結果は 70点でした。
まずまずではないでしょうか。
そんな、僕の勉強方法ではありますが紹介していきます。
参考書と過去問を3周+α
見出しの通りですが、参考書に添えられている問題の全てと、過去問題集の全てを3周しました。
そして、3周しても解けないところは解けるまで頑張りました。
もちろんなかには諦めた問題もありましたが。
解けた問題や解けなかった問題は色分けした付箋で見える化して管理していました。
この付箋で管理する方法は意外と使えますよ。
詳しくは、「電験三種」全体を通した勉強方法について書いた、以下の記事を読んでもらえると嬉しいです。
重点的に勉強したところ
重点的に勉強したところは、先述の通り出題傾向の 5割のウエイトを占める「発電」と「変電」です。
「発電」については特に「これ」といった勉強方法はありませんが、この単元には先述使徒ように「流体力学」、「熱力学」、「物理」、「化学」の要素があります。
出題者側として、【第三種電気主任技術者】たる者は、これくらいの「自然科学」の基礎知識があって然るべきといった意図があるように思います。
ですので、勉強中はなんだか電気から離れているような気がしていましたが、出題者側の意図に応えるべく落ち着いて勉強しました。
「変電」に関しては、特に「パーセントインピーダンス」や「変圧器の並行運転」について重点的に勉強しました。
「パーセントインピーダンス」や「変圧器の並行運転」は出題確率が高いということもありましたが、僕にとってはちょっと理解することが難しかった単元であったとも言えます。
ちなみに、「発電」、「変電」以外の単元では「フェランチ効果」、「電圧降下」、「架空送電線に使用される各種機材に対する知識」、「送電線のたるみ計算」なんかは「勉強したなぁー」ってことを覚えています。
「捨てた」ところ
基本的に【電力】科目では「捨てた」単元はありませんでした。
どの単元もそれなりに理解できたと思っています。
ただ、唯一「電灯動力共用方式」の計算のみ捨てました。
全く意味不明でした・・・。
この「電灯動力共用方式」の計算問題は高難度に分類されています。
恥ずかしながら、いまだに解けません。
これは、ほんとうに難しいです。
だから、理解するために時間を費やすことを考えるなら、思い切って捨ててしまってもいいかもしれません。
仮に「電灯動力共用方式」の計算問題が出るするならば B問題として出題されると思いますので、10点をとりこぼしてしまいますが。
まあ、他が理解できていれば問題ありません!!
ポジティブにいきましょう!
僕なりのちょっとした勉強の「コツ」
【理論】の勉強方法で紹介している方法と同じですが、「これは覚えないといけないな〜」って思うものについては、イメージ図と式を「絵」として描き出します。
例えば、こんな感じです。
これは火力発電所における様々な効率を考察するイメージ図と公式を表した「絵」です(この例では公式のウエイトが多いですが・・・)。見え難い写真で申し訳ないですがここでは内容は置いておいて、雰囲気を見てもらえると嬉しいです。
いわゆる「普通の絵」の細部にも意味があって描かれているように、僕の言うこの「絵」も意味を理解して描かなければ意味がありませんので、ただ描くのではなく意味を理解するように努力はしなければなりません。
これについては仕方ありません。
そして、問題に取りかかる際には必ずこの「絵」を描くようにします。
絶対に毎回描くようにします。
正直、ちょっと手間です。
なんだか時間をすごく無駄にしている気さえしてしまいます。
もっと効率の良い方法があるのではないだろうかと疑いたくなります。
頭の良い人たちは、こんな非効率なことをしなくても覚えられるのでしょうが、残念ながら僕は頭の良い人ではありませんので、ただひたすらこの方法を繰り返しました。
もっと効率の良い方法はないのだろうかと探したりもしましたが、求めているような答えは見つかりませんでした。
結局、行き着いた答えがこの方法でした。
僕の目的は【電験三種】に合格することであって、頭の良い人を羨んだりしていても仕方がないと思って割り切って頑張りました。
確かに効率は悪いと思いますが、それでも、この勉強方法にはとても良いところがあります。
この勉強方法ではイメージ図と公式を合わせて「絵」として描いて覚えますので「あれ?この式はなんだったっけ?」となった場合、とりあえず「絵」を描き始めると「絵」に引きずられて公式が出てきたりします。
僕は、この方法に試験本番で助けられました。
ここまでで、「こいつ、なんだか何言っているのか分からないな」って思われているかもしれませんが、勉強に「絵」という概念を取り入れると結構良いですよということが言いたいのです。
ここまで読んでくださった方なら、「じゃあ、いちいちそんな「絵」を描くとなるとどれくらい時間がかかるのか?」が気になるかなと思います。
「絵」を覚えていることが前提ではありますが、「絵」を描くだけなら2〜3分もあれば描けます。
問題1問に取り掛かる時間にプラス2〜3分が追加されるだけです。
それくらいだとそんなに労力はかからないように思いませんか?
試してみる価値はあると思います。
おわりに
いかがだったでしょうか。
少しくらいは役に立てたでしょうか。
僕は【電験三種】の勉強が難しく、辛くて、「本当にこれで良いのか?」とか思ってインターネットでいろいろ調べました。
そんな当時の自分に対して、「電気素人がこんな勉強方法で合格したよ。」って伝えているつもりで書いています。
当時の僕と同じような「どうしたら良いのだろうか?」という気持ちを抱えた状態で頑張っている方もいらっしゃると思います。この記事がそんな方の少しでも役に立てたのなら幸いです。
頑張ってください。
あと、一応僕が使った教材のリンクを貼っておきます。