こんにちは。しょぼいサラリーマンの豆作(マメサク)です。
電気素人サラリーマンの僕が無謀にも電気関係の資格の中では難関の分類に位置する【電験三種】に挑戦し、悪戦苦闘のすえ、なんとか独学で合格した経験をもとに、この記事では【機械】科目について書いていきたいと思います。
僕は【電験三種】合格を目指して勉強を始めてから、
初年度:全科目不合格(この年に科目合格で電験三種取得を目指すと決意)
2年目:【理論】を科目合格
3年目:【電力】、【法規】を科目合格
と、このように3年かけてようやく4年目に【機械】科目に挑戦しました。
3年間も勉強してるので、もはや電気素人サラリーマンとは言えないですが、電気素人だった僕が【電験三種】の中で最難関と言われる【機械】科目に科目合格した勉強方法を紹介します。
「電験三種」全体を通した勉強方法について書いた、以下の記事も読んでもらえると嬉しいです。
使った教材
・オーム社:完全マスター 電験三種受験テキスト 機械
・電気書院:電験3種過去問題集(10年間の全問題・解説と解答)
・SAT:第三種電気主任技術者合格講座【機械編】
僕は【機械】科目だけ通信講座を受講しました。
確かにこの講座は役に立ったと思っていますが、受講しなくても合格はできたと思います。あくまで補助的な役割でした。
【機械】科目について
僕のように【電験三種】を科目合格制度を利用して3年計画で取得しようとしている人には、1年目【理論】、2年目【電力】+【法規】、3年目【機械】の順番で勉強をすることをおすすめします。
(1年で全ての科目に合格する計画の人であっても、この勉強する順番は当てはまると思っていますが)
最難関と言われている【機械】を最後に持ってくることは、ちょっと恐い気もするかもしれませんが、この順番で勉強をした僕の経験上、すでに【理論】、【電力】、【法規】を学んだあとなので、その頃には【電験三種】に対する耐性ができていますので【機械】を「最難関」とは感じなくなっていると思います。
「最難関」ではなくなっていると言いましても、難関であることには違いありませんが・・・。
【機械】科目で学ぶほとんどは、【理論】科目で学んだことがベースになっています。
だからと言って、【理論】科目のように深いところまでの知識はそれほど必要ありません。
【理論】科目が合格できた方ならば、【機械】科目で問われている【理論】の知識はそれほど難しいものとは感じないと思います。
さて、そんな【機械】科目で学ばなければならない項目は、
- 変圧器
- 変圧器の構造と等価回路、ベクトル図
- 変圧器の試験と電圧変動率
- 損失と効率
- 変圧器の結線
- 遮断器、断路器、避雷器
- 誘導機
- 誘導電動機の構造と同期速度、すべり
- 誘導電動機の等価回路と出力およびトルク
- 誘導電動機の円線図と運転特性
- 誘導電動機の速度制御
- 誘導電動機の始動方法
- 回転機の一般事項
- 直流機
- 直流機の構造と電機子巻線方
- 電機子反作用と整流
- 直流発電機の特性
- 直流電動機の特性
- 直流電動機の運転
- 同期機
- 同期発電機の構造と誘導起電力
- 電機子反作用と同期インピーダンス、負荷角と出力
- 同期発電機の特性
- 同期電動機の特性
- パワーエレクトロニクス
- 電力用変換素子
- 順変換装置と逆変換装置
- パワーエレクトロニクスの応用
- 照明
- 証明の基準事項
- 蛍光灯、LEDランプ、白熱電球
- 水銀灯、ナトリウム灯、その他の光源
- 照明計算の基礎事項と点光源による直接照度の計算
- 直線光源による照度計算と屋内照明・道路照明計算
- 電気加熱
- 電気加熱の基礎事項
- 発熱体の種類と電熱線の計算、換気扇容量の計算
- 物体の加熱昇温・溶解などの電熱計算
- 電気加熱方式と電気炉などの種類
- 電気溶接とその他の電熱応用装置
- 電動機応用
- 電動機運転の基礎事項
- 揚水ポンプ・送風機用電動機の所要出力
- 巻上機や電気自動車用電動機の所要出力
- 各種負荷用電動機の速度制御・制御法などと適用例
- 各種負荷の特徴と電動機の所要特性
- 自動制御
- 自動制御の基礎事項
- ブロック線図とベクトル軌跡
- 自動制御系の応答と安定判別
- 電気化学
- 電気化学の基礎事項と電気分解の計算
- 電池の一般事項と一次電池
- 二次電池
- 工業電解プロセスと界面電解、電気防食
- コンピュータとメカトロニクス
- シーケンス制御回路
- 論理回路、コンピュータのハードウェア
- 流れ図とコンピュータのプログラム
- メカトロニクス
これだけあります。
うわ〜。多いなぁ。
このチャプターを見ると、【機械】で学ぶものとは大半はその名の通り電気を使って仕事をする「機械」を学ぶ科目であることが分かると思います。
「変圧器」、「誘導機」、「直流機」、「同期機」なんかは The 電気の機械って感じですね。
一方で、半導体(パワーエレクトロニクス)やコンピューターのプログラムなどは、「これって機械なのか?」ってちょっと疑問に思うものもあります。
だからでしょうか?
電験三種出題者側から見た【機械】科目は、 The 電気の機械がメインと捉えられているようで、得点配分としては 40点以上がこの範囲から出題されています。
電験三種は各教科 60点で合格点ですので、この分野で 40点以上という配分は大きですね。
勉強方法
先にも書きましたように、【機械】科目の得点配分を見ると、【機械】科目を攻略する方法はもうすでに見えているのではないでしょうか?
The 電気の機械である「変圧器」、「誘導機」、「直流機」、「同期機」は絶対です。
とは言え、40点はなんとか「変圧器」、「誘導機」、「直流機」、「同期機」を頑張るにせよ、あとの20点以上はそれ以外の分野から得点しなければなりません。
その 20点をどうすれば良いのかを、むしろ知りたいですよね。
当時の僕はそれが本当に知りたかったです。
しかし、残念ながら、これには絶対的な答えなんかありません。
確実に合格するためには、結局のところ全ての分野についてしっかり勉強しましょう。ってことになります。
そんな当たり前のことだけを書いていたのでは、ここまで読んでくださったのに何も得るものがない記事となってしまいます。
ですから、残りの 20点以上をどういう戦略で勉強したかについて、僕の勉強方法を紹介していきたいと思います。
ちなみに、今から紹介する勉強方法で僕は 75点で合格しました。まずまずの結果ではないでしょうか。
とりあえず、必須 4分野は絶対です
先述しているとおりですが、まずは絶対に「変圧器」、「誘導機」、「直流機」、「同期機」は攻略しなければなりません。
【機械】科目のメインですから、この 4分野についてはもれなくできるようになるまでしっかりと勉強しました。
この 4分野については、「特にここを重点的に勉強しました」というところはありません。
全部勉強しました。
40点を確実に狙いに行きました。
もう、これは絶対です!!
「はいはい。もう必須 4分野はわかったから。それ以外をどうしたのかを書きなさい。」って感じですね。
というわけで、次項からは必須 4分野以外についての僕のやってきたこと書きます。
パワーエレクトロニクス
この分野は【理論】でも学んだ半導体に関わる分野で、僕自身は若干アレルギーを感じてしまう分野でした。
しかし、このパワーエレクトロニクスの分野からの出題頻度は高いため、ここは頑張るしかなかったです。
ただ、救いだったのが【理論】の時のようにそこまで深く半導体のことについて問われるわけではなかったことが救いでした。
パワーエレクトロニクス分野で特に頑張って勉強したところは「順変換・逆変換装置(コンバーター・インバーター)」と「直流チョッパ回路の計算問題」です。
どちらも、過去問ではチラホラいろんなパターンで登場していますので、ここは押さえておいた方がいいと思います。
照明
この照明の分野は電験三種全体を通しても【機械】科目でしかお目にかからない分野です。
しかも、「照明」でしか使わなさそうな見慣れない公式がなんだかたくさん出てきます。
僕は、ここにきて「照明」の問題のためだけに新たに公式を理解・記憶することに少し抵抗を感じました。
そのうえ、出題されても1問くらいのウエイトでしたので、その手間を考えると「捨てよう」と一時は考えました。
しかし、その後、考え直しました。
なぜか。
理由は、思いのほか「簡単」だったからです。
「照明」でしか使わないのにたくさんの公式を覚えてもなんだかコスパが悪いような気がしていましたが、逆に言えばそれさえ覚えてしまえば「簡単」だったということです。
もはや、「照明」問題を取りこぼすことはもったいないと言い切れます。
電気加熱
この分野も【機械】科目で初登場する分野ですが、「照明」に比べて少し身近な分野だと思います。
もちろん、「照明」は「照明」で、いつもお世話になっていますのでとても身近なのですが、「明るさはどうやって求めているのか。」など、その分野を深く考えたことはないと思います。
それに比べると、まだ「電気加熱」は身近な分野だということです。
「電気加熱」を簡単だとは言いませんが、理科や物理で学んだ「熱」ですので、結構面白い分野なのではないでしょうか(人によると思いますが)。
「潜熱(液体蒸発させる熱量)」なんか、理科か物理で学んだのでしょうけど、僕的にはこの歳になって新鮮な発見でした。
この分野で特に勉強すべきところは「ヒートポンプ」の成績係数 COP です。
「エコ」が時代のトレンドですので、出題者側としても出題したくなるところなのでしょう。よく出題されています。
ですから、これは是非押さえておいて損はないと思います。
ちなみに僕が受験した時も出題されました。勉強しておいてよかったと思いましたね。
電動機応用
この「電動機応用」についても全て網羅したいところです。
というのも、この「電動機応用」は【電力】科目で学ぶ揚水ポンプであったり、簡単な「物理」を使ってエレベーターであったり巻上機であったりと、比較的、馴染みやすい分野だと思います。
馴染みやすいので、きっと理解もしやすいと思います。
「電動機応用」はしっかり勉強しておくことをおすすめします。
エレベーターの問題なんかは「こんな風に考えられて造られているんだなぁ〜」って、試験対策どうのこうのというより、普通に勉強になりました。
自動制御・電気化学・コンピューターとメカトロニクス
この3つの分野については、ある程度簡単な知識問題は答えられるように勉強はしましたが、難しいものはいさぎよく全て捨てました。
「簡単な知識問題は答えられるように勉強した」とは言いましたが、ただ暗記しただけです。
「自動制御」の分野では、伝達関数なんかは「これは、いったい何をしているのか?」って感じで、そもそもの意味がわかりませんでしたので完全に諦めました。
「電気化学」の分野は「あっ!!僕、化学苦手なんで・・・。」という感じで、浅い知識問題のみ覚える程度しか勉強しませんでした。
最後の「コンピューターとメカトロニクス」の分野については、簡単な論理回路は解けるようにはなっておいた方が良いと思いますが、「フリップフロップ回路」のような超難しい問題なんかは「即パス」です。
時々、10進数、2進数のようなラッキー問題が出ることがありますので、これはできるようになっておいた方が良いです。
と、まぁ以上が、僕なりの経験をもとに勉強方法を書いてみましたが、人それぞれに得意不得意の分野があると思います。
なかには、「照明」は意味がわからないけど、「コンピューターとメカトロニクス」は簡単という人もいらっしゃると思います。
結局、何が言いたかったかと言いますと、「合格するためには全分野できなければならない」というようにガチガチに追い込まなくても、僕のように「できないものはできない」。だから「できるものを確実にできるようになる」という感じでも、十分合格することができます。ということが言いたかったのです。
ちょっとした勉強のコツ
【理論】、【電力】の勉強方法の記事でも紹介している方法なのですが、覚えたい公式を、イメージ図と式を合わせた「絵」という概念で覚えてしまう方法です。
そして、問題を解くたびに、この「絵」を毎回絶対に描くようにします。
そうすることで、いつの間にかこの「絵」を理解しながら覚えていることに気がつくと思います。
ちなみに、この「絵」の例は、
とか、
こんな感じです。
一つ目の「絵」は直流機を表しています。
この「絵」には公式らしいものはありませんが、これが「なんの絵」なのかを覚えていれば、あとはオームの法則をベースに解けます。
ちなみに、この直流機については「直巻式」、「分巻式」、「複巻式」、「他励式」の「絵」を全部理解しておいた方がいいですよ。
二つ目の「絵」は誘導機の等価回路です。
これは、僕が誘導機の勉強をしていた時にイマイチ意味が分からなかったところです。
しかし、「絵」にして覚えてみると、急に正解率が上昇しました。
この誘導機の「絵」も覚えておいて損はありません。
とにかく、覚えたい公式などを「絵」という概念で覚えると結構良いですということを、ちょっとした「勉強のコツ」としてお伝えしたかったわけです。
よかったら、試してみて下さい。
おわりに
いかがだったでしょうか。
少しは、【機械】科目攻略の参考になったのではないでしょうか。
電験三種はとても難しい資格です。
合格するためには相当な勉強時間が必要です。
継続して勉強できる強い意志がなければ合格できない資格だと思います。
でも、僕のような全くの電気素人でも「絶対合格してやる」と決めて、継続して勉強を続けさえすれば、合格できる資格でもあります。
今、勉強中の方や、これから頑張ろうとしている方が、この記事を読んだことで、ほんの少しでもモチベーションが上がったのであれば幸いです。
あと、一応僕が使った教材のリンクを貼っておきます。
勉強、頑張ってください。